武士の既得権を崩していく仕上げの時期に大久保はどんな手を打っていくのか?その大久保の知恵を読み解くのは…アメリカで長年 美術館運営に携わりさまざまな壁を突破してきた蓑さん。 さあ今日も 前回に引き続いて大久保利通の知恵既得権に どう立ち向かっていくかというところを見ていきたいと思うのですがその象徴が こちら。 大久保は実務者ではありますけれども大久保利通 個人のカリスマ性はないわけです。
大久保は奏上がなされる前に天皇に接触し派遣を承認しないよう説得工作を図ろうとしたのです。 しかし 大久保が 直接天皇に意見する事は組織や役職上難しい事でした。 この工作を可能にしたのが大久保が宮中改革のために宮内省に送り込んでいた薩摩出身の官僚吉井友実でした。 大久保は 本格的にそうした士族たちの解体に着手します。 しかし 不平士族への弾圧は士族の恨みを 一身に受けて散った大久保利通。 実は 大久保は士族の解体を進める一方で士族の手による東北の開拓事業を進めていました。