ETV特集「毒と命~カネミ油症 母と子の記録〜」

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この番組のまとめ

国内最大級の食品公害…被害者の子供たちも また不可解な症状を訴えています。 1万4,000人が 全身の吹き出物や内臓疾患など被害者は 有効な治療法も見つからないままさまざまな病に苦しんできました。 被害者救済法が初めて制定。 今回成立した法律は被害回復の支援や健康状態の把握などの措置を講じるよう初めて 国にその責務を定めました。 やはり カネミ油症の問題は 「黒い赤ちゃん」でも生まれたように2世3世の子供たちもいろいろな被害を受け影響はかなり受けていると思います。

体中の吹き出物が原因となり順子さんは小学校で激しい いじめに遭いました。 高校卒業と同時に順子さんは島を離れました。 油症の事を誰も知らない町へと愛知県の紡績工場に就職しました。 しかし 認定患者が対象の検診の案内が会社に届き患者である事が分かってしまいます。 しかし 全身の痛みや 重い倦怠感などの症状には治療法がなくもう前にも後ろにも 右にも左にも行けない状態になりましたので。

20年たっていれば もう当時騒がれた油症新生児 ちょっと肌の色の黒かった 赤ちゃんとかですよね。 学校に通う年齢になっても症状は治まらず原因不明の高熱や腹痛 疲れやすさを訴えるようになりました。 保健室に行って 休ませて下さいという事で 休ませてもらってそこから また早退するか1日ずっと保健室で過ごすか。 自分では カネミ油症の影響を受けていないって思い込もうとしてたんですよね。

子供に何らかの症状があると訴え孫の症状を訴えた人も1割以上に上りました。 患者の子供世代については「母親を介して 児にPCBが移行する場合がある」と記されています。 子供世代の患者数は不明であるとしています。 子供世代の被害認定の実態はどうなっているのか。 認定被害者の8割以上が集中する長崎県と福岡県に油症患者として認定された被害者数は男性が17名 女性が16名で合計33名 いらっしゃいます。 子供世代の認定数を年度ごとに まとめたグラフです。

「PCB PCQ PeCDFがカネミ油症と関係があるっていう事を認めてもらって少しでも自分の精神的な重荷を取り除きたいというふうに…。 油症患者である母親から次々と黒い赤ちゃんが生まれた事が黒い赤ちゃんの相次ぐ誕生に当時 医学者たちは驚愕したといいます。 吉村さんは事件から4年後長崎県の五島列島で油症患者のいる108世帯を対象に調査を行いました。 しかしその後 油症患者から生まれた子供たちの詳細な疫学調査は行われませんでした。

被害を訴えても認定されない次世代が数多くいると話しました。 せめてね せめてですよ 最低限認定されたお母さんから生まれた子供たちを全部一遍 調査し直すべきですよ。 原田さんは被害者の救済や差別の解消に向けた取り組みこそが実態調査の大前提だと訴えました。 「油症」って言われる事で起こってくる社会的 政治的 経済的差別。 下田さんの家では順子さんの娘 恵さんが東京で開かれる被害者集会に出て自分も訴えたいと言いだしました。 カネミの被害は五島列島の 奈留島という小さな島で被害を受けました。

油症患者から生まれ 認定を受けている子供6人の へその緒と一般の子供のへその緒を分析し 比較しました。 やはり胎児性油症の原因物質も体が出来上がってしまってから受ける影響というのはものすごく強いわけですよ。 台湾油症の研究の中心を担うのが台湾大学です。 郭さんは これらの異常は胎児期に ダイオキシンにさらされた事で体内の各器官に 機能不全が生じたためであると見ています。 油症事件が起きた直後 台湾では日本のカネミ油症が 実態解明や被害者救済の参考にされました。

母は 「カネミ油症は今も差別や偏見がある。 今日 来て頂いた皆さんにカネミ油症の事を是非考えてもらいたいと思います。 本当 今日 勇気を出して話して下さってありがとうございました。 救済法の成立によって 診断基準の一部が緩和されました。 救済法が成立しても 次世代問題は何ら前進しませんでした。 「総合的に検討した結果あなたを油症であると診定することはできませんでした」。 恵さんにも検診結果が届いていました。 「診断基準と照らし合わせ総合的に検討した結果あなたを 油症であると診断するには至りませんでした」。