ETV特集「寺山修司という宇宙 園子温×穂村弘」

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この番組のまとめ

47歳で病に倒れるまで俳句 短歌 シナリオ 詩 エッセー競馬評論 映画 演劇など本人いわく…スタート!園は 問題作を次々に発表し今 海外で高い評価を受けている。 穂村は 今 短歌にとどまらずエッセー 絵本の翻訳と活躍の場を広げている。 学生時代 運動が苦手で 言葉の世界に のめり込んだ穂村は寺山に 同じにおいを感じ意識し続けてきた。 穂村は寺山の言葉特に短歌に注目する。 短歌は 寺山の創作の原点だった。 今回 穂村は寺山の短歌を徹底的に分析しその独自の世界に分け入ろうと試みた。

そう語る穂村が寺山の想像力の秘密を探る。 一方 穂村がひかれると言う寺山の若い頃の短歌はドラマチックで 非日常的だった。 寺山は なぜ独特の個性を示しえたのか?生前の寺山を よく知る先輩歌人にぶつける事にした。 家族という 最も身近なモチーフをも虚構に仕立てる寺山は虚言癖 盗作などと悪評を浴びる事にもなった こうした個性。 みどり子の頬を突いているという俳句なのに対して寺山の短歌では 「父」が子供の頬を突くんだよね。 こっちに用意した寺山環境でもう一回 蘇生させちゃうって事なんですよね。

映画監督 園子温は寺山が9歳から12歳までを過ごした 三沢市へと向かった。 高倉 健が大暴れした映画のあとなんかまるで自分が 2~3人人を斬ったような顔をして肩を怒らして映画館を出ていったお前!そのお前よ!あの時 お前に何が起こったんだ!えぇっ?従来の映画ってものをぶっ壊すというのでやってたと思うんで。 スクリーンの向こうで いきなり観客に向かって 話しかけられた途端今までの自分の見てきた映画体験が全部ガラガラと崩れ去ってですねこれは もう自分が映画作らなきゃ駄目なんだという気にさせられたんですよね。

園は 寺山が小学校時代よく遊んでいたという寺山の遊び場だった小さな不動神社。 寺山は 9歳の時駅前で食堂を営む 孝四郎さんの家に引っ越してきた転校生だった。 寺山の創作世界で度々 モチーフとなる柱時計。 食堂に 長い柱時計がありましてその柱時計の下で…悪い同級生なんか「お前のお母さんが米軍兵の オンリーだべ」ってこう言われるのが 非常に抵抗あったんでないかなと思いますね。 残された寺山は 青森市で映画館を経営する親戚に預けられ写真部員だった藤巻健二さんは新聞部に所属していた寺山らとよく遊んでいたという。

空中からただ たくさんある言葉をふっと取ってくるんじゃなくて若い子の寺山ファンとか柱時計とか 人形とかそういったものを面白がって記号として使うじゃないですか自分の経験でもないのに。 他の作家さんがやるとこれはこの人の怨念がこもってるなっていうものが感じ取れるのに寺山がやると ひどく それがまるで 自由自在に コラージュしているように見えませんか?それがですねやっぱり そこは多分寺山修司という人が やっぱりエンターテイナーだったと思うんです。

でも それも やっぱり あんまり…秘密にしてるってところとかこの人は やっぱりそういう意味では…僕 それを聞いて寺山は もしかしたら割と僕たち普通の人間が結構本当の事を言ってるって事を知らなかったのかなっていう…。 つまり普通は寺山の作品見ると寺山だけが 何かを知ってる人のように見えるんだけど実は 意外と普通の人は平気で 臆面もなく本当の事を言いながら生きてるあるレベルではね。