マリトの骨が発見されたあとも発掘作業は続けられ新たに 別のマストドンの骨の一部も発見されました。 化石から このグループのマストドンがアフリカ大陸から ユーラシア大陸に渡りフランスのオーベルニュ地方にまで到達していた事が分かっています。 オーベルニュ地方で発見された種は「オーベルニュマストドン」と呼ばれ他にはない特徴があります。 これは オーベルニュマストドンの実物大の模型です。 オーベルニュマストドンは 当時の環境に順応して生きていました。
チリのマストドンについて更に情報を集めるため2人の研究者は マリトと同じ時代にチリに生息していた他のマストドンの骨も調査する事にしました。 一つは フランスで発見されたのと同じゴンフォテリウム科のマストドン。 もう一つはマムート科の アメリカマストドンです。 ミシガン大学の教授で古生物学者のダニエル・フィッシャーはアメリカマストドンの専門家です。 マムート科のマストドンはおよそ1,500万年前にユーラシア大陸から 北米大陸へ渡ってきました。
一方は ヨーロッパへもう一方は 南米へと渡り今回の発見は 南米大陸におけるマストドンの分布を理解する上で北米大陸と南米大陸は陸続きではありませんでした。 南米大陸に移動した マストドンの中にゴンフォテリウム科のキュビエロニウスがいます。 ノティオマストドンは あちこちに分散しさまざまな環境に適応していきました。 南米大陸の東側ブラジルでもマストドンの骨は見つかっています。 ノティオマストドンの頭の骨です。
マストドンは 何らかの方法でアンデス山脈を越えチリに到達したわけです。 洞窟からは マストドンをはじめとする哺乳類の化石がしかし 気候の変動には場所によって差があります。 健康なマストドンが突然 命を落としたとすれば何らかの出来事があったに違いありません。 オーベルニュマストドンと マリトつまり チリのノティオマストドンとの最大の違いは 牙です。 マリトの死因は マストドンの絶滅の原因とは関係がないようです。 では マストドンは なぜ1万年前に地球上から姿を消したのでしょうか。