大量の二酸化炭素が海に吸収されるとある事が起こります。 多くの海洋生物にとって命取りとなる 海の酸性化です。 しかし科学者は 海が 大量の二酸化炭素を吸収する事でその結果 海水の酸性度が高まっているんです。 貝殻や サンゴの骨格など海の生物の一部は炭酸カルシウムで出来ています。 科学者たちは 海の酸性化が海洋生物に どのような影響を与えているのかを調べ始めました。 カタリーナ・ファブリシス博士は長年 観察してきたサンゴ礁が危機に瀕している事を実感しています。
サンゴ礁の すぐ近くの海底から二酸化炭素が噴き出しているんです。 この海域のサンゴ礁は100年近くにわたって二酸化炭素を浴び続けてきました。 二酸化炭素の排出量が増えれば世界中のサンゴ礁がここと同じような状況になるとファブリシスは考えています。 調査チームは 200m離れた2つの海域を それぞれ調査しもう一方は 二酸化炭素が噴き出す酸性度の高い海域です。 地球が 大規模な環境の変化を経験するのは二酸化炭素の増加が関係しているようです。
オーストラリアの南極観測船に乗った科学者たちがプランクトンの調査をしています。 海の酸性化の影響を受けているプランクトンは他にもいます。 海の酸性度が高まればカキの幼生と同様翼足類も 致命的な被害を受ける事になります。 あまり知られていませんが翼足類のおかげで 南極海の生態系が成立しているんです。 魚類生態学者のダニエル・ディクスン博士が海の酸性化が 魚の感覚神経や聴覚そして 行動全般にどう影響するのかを実験室で調べてきました。
次は 二酸化炭素が噴き出す酸性度が高い海域です。 ミツボシクロスズメダイが酸性度が高い場所にある サンゴに入っていくのを 何度も見ました。 アカウニは 藻や海草を適度に食べる事で酸性度の高い海水に弱いカキと違いアカウニの数は増えています。 太平洋岸北部の アカウニは酸性度の変化にとても強い事が分かりました。 分析の結果 種の多様性が最も高いのは酸性度が低い 通常の海域である事が分かりました。