日本の話芸 落語「小言幸兵衛」

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この番組のまとめ

この間も 私ね 電車に乗っておったんですけれどもね環状線京橋の駅でございますよ。 そこで 電車に乗るために駅で待ってましたらね私の後ろにですね若い人が来ましてね何かいな 思たらなんと 私の後ろでカップ麺を食べとるんでございます。 そこへ環状線 電車が 入ってきました。 さて ここに ございましたのが家主の幸兵衛さんと申しましてこの人がですね 朝から晩まで人の顔さえ見たら小言を言わんと 気が済まん。 まぁ 陰では「小言幸兵衛 小言幸兵衛」とあだ名をされておる方でございますけれども。

その井戸側で 最前から ズ~ッと顔 洗うてるの誰や? それ顔 上げなはれ 顔。 な?お前はんのな 井戸側やないねん皆のもんや。 朝早うから 洗濯 ご苦労さんや。 ええ?大体 お前さんなその 洗濯しもって飯を炊こうというこれが間違うてる せやろ?1つの事でも 満足に でけんのに2つ いっぺんに しようというその ずぼら その横着さ それが間違うてますねん。 『2つ いっぺんに 物事 するのが横着や』っちゅうたらなあの お正はんが口答えしよってな『2つ いっぺんにできる事がございます』。

いえ 実は 私ね前から 豆腐屋やってまんねんけどね ええ。 あそこで また豆腐屋を やりたいんでっけど豆腐屋っちゅうのはあきまへんかな?」。 「豆腐屋 結構な商いや。 けどな1つの町内に 豆腐屋さんが2軒も 3軒もあったら これ客の取り合いで もめる。 あのな 豆腐屋さんが借りにきたんやけどうちの町内に 豆腐屋さんはあるかい? ええ?あ~ あ〜 無い? 『皆 隣町まで豆腐 買いに行てる』? フ〜ン。 豆腐屋さん うちのな 町内に豆腐屋さんは 1軒もないらしい」。

え~ 手前どもは 実は仕立て屋を営んでおりますが」。 「仕立て屋を営んでおりますが」。 「ホオ~ッ 仕立て屋さん。 それも 仕立て屋と言わんとやで『仕立て屋を営んでおります』。 今年 ちょうど二十歳になりましてございます」。 「何? 二十歳? ホオ~ッ お前さんもいや 若うに見えるけれども困っておるような次第でございまして」。 年が二十歳でうん 親のあと 継いで仕立て職人となって 腕が立つ結構なこっちゃな。 まぁ 早い話がやな男前か不細工かっちゅうこっちゃ。

お前さん所の伜さん 名前何ちゅうのじゃ? ええ?ホオ~ッ ホオ〜ッ世之介? 世之介?お父っつぁんもお母はんも出かけてしまう。 さぁこの日を待ってましたとばかりお前はん所の世之介がこれを聞いて 世之介がやなああ 白々しい事 言うで。 さぁお花ちゃんも これを受けてやな『世之介さん。 世之介はん。 ほな 世之介さん 家へ養子に来てもらおうか』とこういう事になりますわな?」。