日本の話芸 落語「杖(つえ)」

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この番組のまとめ

呼ばれる時も 「米丸さん」とか中には 「師匠」なんつって下さる方もおいでになりますけれどもそれが 病院 行ってね「須川さ~ん」つうと今 こうやってね。 階段っていうのはエスカレーターと違って足 こう 乗ったって動かないですけどね階段は 上りのほうが楽ですね。 感じのいい 風呂敷のバッグになってるやつそのまま ヒョッと 載っけてス~ッと 通ってっちゃった。 「何だ 機械に ばかにされたのか」と思ってねヒョッと 見たらね 病院の診察券。

新宿の末廣亭という寄席の すぐ傍に交番があるんですけどね年配の方だとか中年ぐらいの方でもねよく そこへ来てね。 今日 会社 行くのにね雨が降ってますけどね傘 持ってくの やめなさい。 それなら今日ね 濡れていってね帰りに 3本の傘をね 会社から持って帰ってらっしゃい」。 「女房に言われるまでもなくどうして 私は こうそそっかしいんだ」ってんでね雨に打たれて会社へ お出かけになって電車に乗って 腰掛けが空いたからヒョッと 腰を下ろして…。 退社時間がきたから 3本の傘抱えるようにして 電車に乗る。

仲間のね 弁解する訳じゃないんですけれどもね了見の悪い奴が落語家に みんなそういうのが いるのかと思われたくないですよ。 本当に 了見が良くなければ一旦 いい傘 持ってったら二度と 持ってこないでねまた 悪い傘 持ってきてまた 帰りに いい傘 持ってってだんだんいい傘 増やしてくってそういう了見の人はいないですね。 ダイヤモンドなんていう宝石が入っている訳ないんでガラス玉みたいのでもねいろんな色なのがピカピカピカッと光るやつなの。

私は トロトロッとして 寝てる間に手から放してたの。 ね?「自分が この傘 持ってるのは東京で 私一人なんだ」というただ それだけの事なんです。 電車に乗ってあそこへ 傘 引っ掛けた人は代々木 過ぎた原宿辺りの所へ来ましたらその人 その傘を 引っ掛けたままス~ッと 降りちゃった。 そしたら 人がいいんですね自分の隣に腰掛けてた男の人が追っかけていくように「もしもし 傘 忘れましたよ。 向こうへ行って ちょっと山登りなんかするなんて方はね携帯用のがありまして折り畳みになった杖なんかもございまして。

問屋へ聞いたところがね 他に出払ってるなんて言うんでねで 他のを見ようとしますといつ 現れたのか自分の隣にヒュ~ッと 人が立つというと今 自分がヒョッと 置いたやつを…。 人間は 決断力が肝心だね。 決断力が…。 私は 今日は 時間があるからゆっくり 見ようと思ってここへ 立ったんだよ。 お蕎麦屋さんの旦那なんですけどね。 えっ? 『今 休憩時間だから』?『大きな声がするから』?いや どうも。 「そりゃまあ ね~やっぱり 買うんだから 自分のいいの 見たほうがいいよ。