まぁ 師匠なら 師匠教わる先輩なら 先輩が 3遍。 そういう時に必ずといっていいぐらいに「落語もいいけど 他の芸事も稽古しなさいよ」ってな事をだから それがためかどうか分からないんですけれども噺家に限らず 他の皆さんもね芸事をやるなんという人はなかなか 少ないしどんどん どんどん 稽古所なんというものも少なくなっていく。 これは 今 お世辞を言う事をお上手と言ってそういう言葉がありますけれどもあれは みんな 町場のいわゆる そういう師匠のその言葉が起源じゃないかなと。
だから そういうような奴はこういう炬燵櫓なんぞに入るってぇと もう 師匠の手を握ろうなんていうんでね最初は 指をこう 斥候に出すんだってね。 「エッヘヘヘどの辺かな? ウ~ンウッ オットいらっしゃいましたよ。 「嫌だ コンチクショー」。 「冗談じゃねえ やめだい」。 「冗談じゃないよ 本当に 全く。 あの師匠がな この町内に来た時の事を忘れたかってんだよ。 何だ 冗談じゃねえやい。
やきもち妬きなんだからダ~ッて 『コンチクショー』ってんでえらい騒ぎになるてぇやつだよ」。 「軍鶏じゃねえんだよお前 本当に」。 でも なんだよ これからねもめるってぇとワ~ッ 皿を投げる ガッチャ〜ン。 丼を ピャ~ッ ガッチャ〜ン。 茶碗を ピュ〜ッ ガッチャ〜ン」。 何を言ってんだい ええ?奥で寝ている人間が 何で向こうで 一杯 やれるんだよ?」。 「何を言ってんだい向こうで 一杯 やれる人間が何で 奥で寝ていられるんだよ?」。
普通の人間だったら耳なんざ 触られたって何でもねえけどなああいう化生の者っていうのはな耳を触られるってぇとピクピク~ッ 動くんだ。 まぁ ピクピクッつったら『ピクピクだ~』とかなんとか言え」。 あの~『ピクピクだ〜』と言ったら裏っから 飛び込んでピタ~ンて ひっ叩くのは兄ぃがやるんだね?」。 パッと つかんでギュ~ッと 引っ張って耳の所を ポ~ン 触るってぇとピクピク〜ッ。 途端に 「ピクピクだ~」ってぇと常吉が 裏から ド~ンと 入って。