画家の名は フェリックス・ヴァロットン。 作家・角田光代さんがその絵に潜む物語を読み解きます。 「その言葉を小説に書き変えたら「彼女のうつくしさには理由がある。 彼女は人に言えない秘密を持っている。 実はもう一人 「彼女」の秘密を知っている女性がいました。 このヴァロットン 僕は初めての出会いなんですけれどもよぉく見てると この女の子がボールを追いかけてるというよりもなんかこう 逃げてるような黒い影から逃げてるように見えたりとか。
1865年 ヴァロットンはこの街に生まれました。 ヴァロットンの価値観とは正反対の世界でした。 しかし ナビ派の中でもスイス生まれのヴァロットンは「異邦人」と呼ばれ 仲間と距離を置くようになります。 ある種の「のぞき」のイメージは ヒッチコック同様 ヴァロットンに濃厚にあるので。 ヴァロットンは ヒッチコックの30年以上前に山のように ありますけどね。 手前に座る人物はヴァロットン自身です。 ヴァロットンは心の奥底に悪を持ちながらそれを認める事ができない人々のために絵を描くのだと言っています。
しかし ヴァロットンのシュザンヌは「貞節」という言葉とは正反対。 この皮肉は まさにヴァロットンの現代性というかほれぼれしますけどね。 作品から にじみ出るような屈折加減とか そういうものは本人自体は持っているものなんでしょうかね?どのような人物だったんでしょうね?これが また難しい人ですごく社交性がある人だったという証言も 随分あるし。 ヴァロットンは 何に執着してキャンバスと向き合っていたのか。 フランスでも 評価が低かった時代いち早く ヴァロットンに注目したのがフランス文学者の澁澤龍彦です。
伴田さんは 裸婦の中でもヴァロットンの特別な執着が見て取れるのがお尻だといいます。 普通 男性の画家が裸婦を描いた場合もうちょっと 何ていうのかな描き手の欲望だったり愛情だったりもしくは 賛美というか対象に対する ワーッというのがあるじゃないですか。 それは多分 ヌードであっても別のものであっても4人 多分いろんな方面から アプローチしたり「ああ そういう見方もあるんだ」とか いろいろ ありつつでも私 きっと誰もこのヴァロットンの絵を見て「よし 明日も頑張るぞ」と思わないと思うんですよね。