白石加代子の「百物語」がいよいよ 最終公演を迎える。 それ! 人間の目にはお祭礼だと思って騒げ!白石加代子 72歳。 当人以上に白石のコンディションが分かっている。 「百物語」の稽古が始まる。 誰 誰?「百物語」最後の作品は泉 鏡花の「天守物語」。 「百物語」 22年間で上演されてきたのは当代人気作家の小説や「怪談牡丹灯籠」などの古典加えて オリジナル作品まで多彩な出し物だ。 「百物語」最後の出し物になる「天守物語」は 99話目に当たる。
図書之助は殿様の鷹を探して天守に迷い込み 富姫と出会う。 図書之助がいるのは窮屈な武家社会。 「天守物語」を貫く泉 鏡花のこだわり。 泉 鏡花は 妖怪や怪談に特別の思いを寄せた。 鏡花の描く見知らぬ世界は芥川 龍之介 柳田国男ら文壇の仲間を夢中にさせた。 鴨下は 後見いわゆる黒子さんを利用してすると 見えないはずの登場人物が観客の想像の世界を飛び回るのだ。 さっき こっち向いたり向こう向いたりしてたけど舞台平行 山台平行。 27話「五郎八航空」も大爆笑の出し物だった。
恐怖の破壊力を堪能してもらいたいのだ。 白石加代子さんから蝮さん。 「百物語」ファイナルです。 ファイナルです!京都の友禅作家 井上造氏に特別注文した。 今 「小田原修理」で合わせたけど「討手」で合わせて。 小学校 上がる前ぐらいまで夜 寝る時にその頃 ちまたで流行ったのが美空ひばりの この歌だった。 ♪「ふるさとの」♪「私しゃ孤児」「越後獅子の唄」は白石の十八番である。 高校を出て 港区役所に就職。 7年で退職し 25歳の遅咲きで演劇の世界に飛び込んだ。
主役の妖怪・富姫の表現である。 まずね 基本はもっとね富姫って突発的なんだよ 気持ちの動きが。 主役の富姫は複雑な二重人格だった。 演じ分けるキャラクターがまた1つ増えた。 舞台で溺れかけた白石は この本番台本に しがみついて生き延びた。 「待て!泣くな 泣くな!工人 近江之丞桃六六十じばかりの柔和なる老人」。 人間社会を見下ろして 見えないものたちが 勝利を謳歌する。 みんな 娑婆に沸き立つ泡ですよこれから本番まで 連日深夜2時3時まで 台本と格闘する。