日本の話芸 落語「粗忽(こつ)の釘」

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この番組のまとめ

というのは 親父が早くに死んでおりますんで電話の名義が おふくろの名義になってんです。 したがって 電話帳を見ますとおふくろの名前が出てるんですね。 で 家の おふくろの名前がソフィア・ローレンっていうんですけれど。 ところが 家の姉今年 79になりますがまだ 結婚した経験がないもんですから電話でもって 自分のことを「お婆ちゃん」って呼ぶ奴は世の中に一人もいない訳ですよ。

そこへいくと もうこの 東京落語会の客席は世界中で 一番 平和な空間ですよ。 まぁ 世の中には いろんな奴がいるもんでございまして「十人 寄れば 気は十色杉は直 松は ゆがみて 面白し人の心は 奇なり 奇々なり」ってうまい事が言ってございますが。 これは もう 落語へ出てくるような人間になるともう 桁外れの粗忽者でございまして。 「しゃあねえな おい 朝っぱらからみっともねえじゃねえか ええ?夫婦喧嘩なんぞしやがって」。 「夫婦喧嘩なんぞするなってんだよ」。 「俺が? 夫婦喧嘩?「やってないよ」。

あ~ 風呂敷あの唐草の 大きいやつちょいと こっち 取りな」。 岩風みてえな野郎だなコンチクショー。 あっほらっ 一の二の三ヨッコラッ ギュッときて オット オ~ッ。 ほ~ら 一の二の三っコラショッと きつう… どうだ。 今度は 長持ちだけだけだから大丈夫だろう。 ほら 一の二の三っコラショッときて グッときてほ~ら 見ろ アハハほ〜ら 持ち上がった よし。

この路地は なんだろ?豆腐屋の路地だろ?」。 だから 入り口にお豆腐屋さんがあるだろ?」。 この長持ち 背負ってよ俺は 先の長屋 出たんだで 目印は 確か左に 豆腐屋があったなと思ったからよ 『左に豆腐屋左に豆腐屋 左に豆腐屋左に豆腐屋』ってんで歩いたんだ。 ところが行けども 行けども左に 豆腐屋が無えんだよ。 でも 『まぁ 同じ豆腐屋だい。 あっち フラフラ こっち フラフラよ。 「なにしろ 一日中よ~ 荷背負って歩いちゃったから お前肩が痛くてしょうがねえや」。 生意気な事 言うない チクショーメ。

「えっ? アア~ッ アハハハよう 私ぁね この長屋へ越してきたんだ」。 長い釘と申しますと5寸釘ですか?」。 「フン 長い釘だってぇと 5寸釘?長い釘ってぇと 5寸釘とどちらへ越してきたんでございます?」。 なにしろ 落ち着かない事にゃからっ意気地が無えもんで「落ち着かなくっちゃ 駄目だ。 その時分はねポチャッとしてやがってねかわいかったんだ。