なぜ 僕の誤りなんだ?佐々木庸平の死は 不可抗力だ。 君は ワルシャワに出発する前に術後肺炎と断定して 抗生物質の投与を命じた。 しかし 実際は術後肺炎ではなく ガン性リンパ管症だった。 オペ前に 佐々木さんの肺に 陰影が見えたとき君は 絶対に転移ではないと 言い切って オペを行った。 まだ そんなことを言ってるのか?解剖をした大河内先生も「術前に転移はあったと 推測される」と言っていたんだぞ。 だから それは推測だろう?僕は あくまで オペの前に 転移の所見はなかったと考える。
君たちのような優秀な医局員が 留守を守ってくれているおかげで安心して 国際医学会に 臨むことができた。 何か 報告することは?725号室に入院中だった佐々木庸平さんが 亡くなられました。 大学病院が 高度な医療施設であるかぎり患者の死は 避けて通ることはできない。 えっ?浪速大学病院の方には いらしてほしくありません。 里見先生。 里見先生だけですか?財前先生 来られないんですか?出張から 帰って来られたのに何のあいさつもなしですか? このまま 知らん顔ですか?来るなら 財前先生 連れてきてほしかったわ。
僕の教室のことで恐縮ですが ウチの助教授の里見君の論文が橘賞に内定したという 連絡がありまして。 加えて 文科省に申請していた 特別研究推進費が採択されまして。 彼は実直で 研究熱心です。 例の 佐々木庸平の件では わざわざ 遺族に解剖を勧めたり教授になった僕を 窮地に 陥れようとしてるんじゃないかとささやく者もいたよ。 どこの裁判所へ 行けばいいんですか?いきなり裁判所に行っても 駄目ですよ。 医療裁判ができる弁護士を 探さなきゃならないし。
人体実験?人の命を救うはずの 医師が ですあなたに 殺されました今が最高ってことはそれ以上は 望めないってことでしょ?こんなに怖いことはないわ北陸新幹線の雪対策工事を巡る 談合疑惑で、東京地検特捜部が 取りまとめ役を務めた企業など 複数の業者の担当者から 一斉に任意の事情聴取を 始めたということです。 この入札をめぐっては、 機構職員が予定価格に関する 情報を業者側に漏らしていた 疑いも浮上していて、 一部の患者からはノロウイルスが 検出されています。
財前教授!今 裁判所から 証拠保全の連絡が。 証拠保全?弁護士が 亡くなった佐々木庸平さんの医療記録の開示を 求めてるそうです。 財前先生に殺されたの!佐々木庸平さんの診療記録は病院側に 準備いただいてるんですよね?証拠保全なんて初めてで…。 弁護士と裁判官には カルテだけを見せなさい。 亡くなった佐々木庸平さんに 関しての医療記録を検証します。 こちらが 証拠保全決定書です。 CTなど 画像資料が あるはずですが?げ… 現在 カルテしか 見当たりませんでした。
浪速大学側の関係者が 証言に立ってそう言ってくれると いいんですけどね。 君が初診で診た 佐々木庸平という患者のことだ。 だから 佐々木庸平の葬式に 行ったのかね?明日 朝いちで 事故調査会議を開く。 先生の事務所で 最も将来を 嘱望されている 国平先生だ。 そして オペの後 ガン性リンパ管症を 術後肺炎と誤診して適切な治療を行わなかったこと。 ですから オペを行いましたし術後の容体変化を 肺炎と見なしたのも時間的経過から見れば ごく 妥当な診断と考えます。
我らが 浪速大学医学部は 多くの患者を救い多くの医学者を育ててきた。 どうして 佐々木さんの依頼を 引き受けられたのですか?事務所を畳んで ご実家へ 帰られるのでは ないのですか?借金 返済するための 小金が必要だったんだ。 じゃあ 佐々木さんの裁判は…。 事実関係の確認を したばかりだろう。 何が?佐々木さんは 関口さんが裁判を起こして世間に誤診を訴えることを 望んでいます。
今回のケースは 輸血や 手術の失敗といった明らかな医療ミスではなく 医師の 診断能力にかかわるものです。 たとえ裁判に持ち込めても 勝てる 可能性が 極めて少ないんです。 たとえ わずかでも 勝てるという可能性がなければ裁判を闘えるものでは ありません。 かなり進行している 胃ガンのため腫瘍が膵臓に達している 可能性が高い。 その場合 オペを拡大し 膵頭十二指腸切除を行う。 あの 高齢で糖尿病も合併してるなら バイパス手術にとどめて事実だ。