瑠璃子お嬢さま もう 準備されとりますよ。 小さいころから 大女将や師範の免許を 持っておられる 瑠璃子お嬢さまの生けた お花を見ておられるんです。 ことしからは 奈緒子さんも頑張って 漬けてみようと 思ってるの。 奈緒子さんが 漬ける 色々な お漬物今では この かぐらやの 名物料理の 一つなんですよ。 本堂 庫裡 山門 ならびに 築地塀が 確か有形文化財に 指定されたとか。 ちょうど 学校の社会科で 教えてもらったばかりなんです。
あした 大女将の お友達で幼なじみの お客さまが おみえになるの。 えっ？私も お世話して いいんですか？これからの幸ちゃんの いい勉強に なるんじゃないかって大女将が 提案してくださったのよ。 私も そうは思ったんだけど大女将も 元気なうちに 少しでも早く 幸ちゃんにいろんなこと 教えときたいんじゃないかな。 大女将の 一番の願いは瑠璃子さんの 幸せなの。
今日こそは 咲子さんに 会ってこの花束を 渡してくるからな。 奈緒子さんのことは 頼んだぞ。 ですから 旅館の仕事に 行きたいんですけど奈緒子さんが もう少し ゆっくり養生した方が いいって 言ってくださって。 だから もしかしたらストーカーじゃないかって 奈緒子とも 話してたんだけど。 でも これは 咲子さんに 日ごろ お世話になってたというか仲居の仕事を 教えてもらった お礼というか。 後輩として 先輩の咲子さんに 対して あのう…。