奈緒子さんは もうすでに かぐらやの 女将の器です。 奈緒子さんは 女将としても 嫁としてもホント 頼もしいと 思っているんです。 そんな折 照子に娘家族との 同居話が 持ち上がったのでございました娘の ゆかりが 今度 富山に 家を探しに来るんではい。 奈緒子さんが 究極のおもてなしを 知るために。 奈緒子さんに 代わってもらうことになって。 えっ? 奈緒子さんにも?うん。 奈緒子さんに 口も利かないなんて。 瑠璃子や 奈緒子さんだけやない。 私も 奈緒子さんなら安心です。
えっ?奈緒子さんがおれば ホントに安心や。 口には出さないけど 照子さんも 奈緒子さんのことちゃんと 認めてるんですよ。 奈緒子さん。 照子さん?無事 娘と孫に 会えました。 伊川さまが 朝から スケッチに お出掛けになるときはおむすびを お渡ししてください。 奈緒子さん。 伊川さまの お部屋は 照子さん いつもこのままに されてましたよ。 大女将の お許し もらってないんでしょ?いいの いいの。 後で こっぴどく 大女将に 叱られても。
それは 奈緒子さんが。 それと おむすびなんですが お気に召されませんでしたか?照子さんから スケッチに行かれるときはおむすびを お渡しするように 言われていたんですが。 奈緒子さんが ため息 つかれるなんて。 コクのある 鶏肉料理の方が お好きだとか?あっ。 伊川さまは お漬物は お好きで?あのう。 奈緒子さん めげてるね。 うん?照子さんから 電話があって。 奈緒子さんのせいじゃ ないですよ。 照子さんに電話して 聞いてみるのは どうです?けれど お任せくださいなんて 言っちゃったし。