今ね 俊平さんが 以前 勤めていた ホテルの同僚の方がうちに お泊まりに みえてるんだけど俊平さんのことをホテルマンとして 落ちこぼれだって。 《ホテルマンとして 落ちこぼれて田舎に 引きこもってしまったとしか《私は 高岡さまの 元 同期ということがああも けなされたのに そんな相手を 褒めるだなんて。 居並ぶ 各国のホテルマンを前に堂々と お話しされて。
えっ？支配人が 自分の足で 仕入れた酒やそうや。 うちの支配人 なかなかのもんかもしれんな。 じゃあ お前たちも 都落ちして ここで 支配人でもなってみるか？あっ。 一流ホテルマンの プライドを 持てよ。 ああっ！大丈夫か？ 高岡！えっ？失礼いたします。 大丈夫ですか？すいません。 大丈夫ですか？高岡。 大丈夫か？ああっ。 高岡さまは 今ごろ 病院に着いてケガの手当てを してもろうとるころでしょうか。 高岡さまの ご容体が分かったら奈緒子さんから 連絡があるやろ。
ほれに 奈緒子さんが 付いとってくれるさかい心配ないやろ。 俊平さんも 咲子さんも今夜は これで 帰ってください。 あの 高岡って お客さまが無理に 咲子さんに お酒を 勧めたことが 原因なんだよ。 奈緒子さんは まだ 病院やろうさかいお騒がせして 申し訳ございません。 金沢を代表する 老舗旅館 かぐらやの 支配人が。 訴える？当然でしょう？おもてなしで 聞こえた 老舗旅館でこんな目に遭うなんて。