陣川くん？警部補で一時特命係にいた事のある人物です。 作品の保管スペースを確保出来ない作家も多いので預かってるんです。 亡くなったのはここの社長の濱田雅志さんです。 何かどなたかともめていたとかそういった心当たりありませんかね？社長方々に借金してたんで。 銀行はもう貸してくれないんで社長がどっかから金引っ張ってきてたんですけど…。 あっ！警部殿！？ったく…なんで先に来てるんです？米沢さんの部屋にいた時にたまたま出動要請があったものですからねぇ。
君…彼女いるのか？いたら悪いですか？フンッ勝手に特命係の名前使って…。 あずみくん！どちら様？あっ…友達です！だったらそんなとこにいないで上がってもらったら？大丈夫です。 なんていう名前の彫刻が？ナンバー３『イル・プリンチペ・フェリーチェ』。 杉下さん！はい？どうして元特命係の僕になんの連絡もくれなかったんでしょうか？確かに君にはちゃんと紹介するべきでしたねぇ。
僕も今とある事件現場からなくなった彫刻を探してるんですよ。 彫刻の王子がツバメに頼んで自分の体についている宝石や金箔を貧しい人たちに届けさせるというお話です。 ちなみに僕が探しているのは『イル・プリンチペ・フェリーチェ』という彫刻です。 「野間幸次郎目黒区祐天寺」…。 野間さんの庭に彫刻がきたのも２年前という話でしたねぇ。 それってもしかしてあの彫刻？奇妙な偶然が続きましたねぇ。 庭の彫刻の場所見たでしょ？お母さんの好きだった彫刻をあんな雨ざらしの場所に置いて。
それが何か？ひょっとして庭の彫刻はお金を貸した代わりにあの童話の作家ワイルドはイギリスの作家ですからねぇ。 彫刻が売られている蚤の市というとリトルジェニスマーケットくらいしか思いつきませんが。 それを証明出来る人は？フラッシュドアーズという会社をやっている坂本という男に聞いてください。 彫刻を濱田さんの会社に持ち込んだ理由が見当たりません。 賞を取った彫刻家の作品だから値上がりすると予想して濱田さんが返却を求めたとか…。 土曜日の午後は野間さんを車で谷川霊園までお送りしました。
お母さんってなんで亡くなったの？もともとあの家の家政婦だったんですけど結婚してからも身の回りの世話ばかりさせられてるうちに突然倒れて…。 本人の希望で最期の頃は自宅療養してたんですけど亡くなった時誰も家にいなかったんです。 ♪～確かに濱田さんに債権放棄の話をしました。 放棄して２０００万ですか？濱田さんの今の状況を考えると断るのも無理もない話なんですよ。 野間さんの言ってたとおり債権放棄を申し出るって電話を受けた事があったそうです。 野間さんが債権放棄をしたのは濱田さんのところだけではないようですよ。
大丈夫です！ほら重いじゃん。 大丈夫大丈夫。 お金大丈夫なの？どうもありがとうございました。 他に何かやる事ないかな？もう大丈夫です。 副社長ではなく社長である野間さんだとしたらどうでしょう？逆にですか？ええ。 ですがもし野間さんの人生が残りわずかだったとしたらどうでしょう？でも財産のほとんどを人に貸してるあなたは相続税を払うだけの現金がない。 貸したお金をそのまま相手にあげて財産を減らせば相続税も減らす事が出来る。 濱田さんの血のついた『イル・プリンチペ・フェリーチェ』という彫刻が。