先日京都御所より江戸の絵師の手によるいやぁたいした出来で江戸市中の評判となったそうで。 深見英泉殿にございます。 ならばなぜっ?上様!いかがした隼人?蝋燭問屋・大和屋と雇われていた人足二名並びに手代の死体が英泉先生!いつも“もも”を見てくださってどうもすみません。
そこへ英泉殿を推挙しておいたのだ。 何とぞ…何とぞ英泉殿を絵比べの場に…!気持ちはわかるがじい。 英泉殿にとってこれは息子の信頼を得る最後の機会なのです。 上様っ…!何とぞ…!何とぞ英泉殿を絵比べの場に!龍なれば縁起もよく見栄えもいたします。 考え違いいたすな!歳を言い訳にするのはじいが最も嫌っていたことではないか?市中を歩き回る徳田新之助は情けで動く男だ。 幸太郎!お前から預かったあの金は必ずわしが…!実はな…英泉殿に絵比べの席で絵を描かせることについては新之助に反対されておったのだ。
その一件この有馬に預けてもらえぬか?へっ?その川瀬但馬守という男日頃よりこの有馬を老いぼれ扱いしてな。 あやつが悪行に手を染めておるならこの有馬がその悪の根を断ち切ってみせてくれようではないか!大和屋殺しが誰の手によるものかわかれば無尽講のあぁー!イテッ…!有馬様…。 じいっ!しっかりしろっ!や…大和屋に無尽講を開くようにそそのかしたのは川瀬但馬守。 すべての首謀者は川瀬但馬守…。 大和屋から金を受け取ったのは川瀬但馬守と相模屋矢助だったと…。