森村誠一の終着駅シリーズ25「途中下車する女」

戻る
【スポンサーリンク】

かなり重い板状の物で後頭部を一撃されており争った形跡抵抗した形跡等は全くないため考えられる侵入経路は3つだったんですが隣室の402号室のベランダ越しは消えました。 402号室居住の女性の許可を得て室内及びベランダを調べたんですが玄関ベランダの窓ともこじ開けたような形跡はなくベランダにあった室外機や鉢植え等々も動かした形跡は全くありません。

自宅のある北野から会社のある大手町まで30年間毎朝毎晩通勤してたんですがいいですねえ。 まあ女房はだいぶ前に亡くなったんですがあの…2人の息子も独立してちゃんとやってくれてますしまあ自分でも過不足のない人生を送れたかなというふうに思ってるんですよ。 ほんと頭にきますよ!友人知人会社関係者の話とはまるで別人みたいなんですよ。 牛尾さんガイシャ相当裏表があったんじゃないですかね。 過不足のない人生だったけど一つだけ心残りがあるってそう言ってたその人。 八王子って聞いたけど…八王子の昌月院会館。

森岡は以前ガイシャのマンションの近くに住んでいたんですが口論の直後去年の3月の末に今の住所八王子ですがそっちに突然引っ越してるんです。 現場は密室だったんだぜ?犯人はなんだかわからんがかなり重たい凶器を背負うかなんかして屋上からロープを伝って下りてくるか下からよじ登っていくかして現場のベランダに侵入しガイシャを殺しまたその凶器を持ったまま同じ方法で現場から姿を消したんだ。

けど森岡夫婦の犯行だとしたらちょっとつらいな。 集まったのは近所の商店主が3人サラリーマンが2人それに長年森岡の店へ氷を配達してた製氷会社のオーナーと飛田病院で森岡夫婦と親しくなった看護師の7人です。 21日の夜は確かに森岡夫婦と一緒にいました。

古木久俊の心残り森岡治の心残り何か関係あるんだろうか2人の心残りは…。 あなたは森岡弓子に対して特別な感情を持っている。 古木久俊は森岡弓子に特別な感情を抱いておりもう一度彼女に会いたい出来れば近づきたいという願望があったからなんじゃないでしょうか。 古木がどこでどういう手段で森岡夫婦の犯罪に気づいたのかはわかりません。 ですが古木がなんらかの方法で森岡夫婦の犯行を知りそれに飛びついたんだと思います。 森岡の葬儀の直後から昨日まで古木はカード及び現金で約300万近い金を使ってます。

モーさんの言うとおりだとすると古木久俊は森岡弓子の犯罪を知ってる唯一の人物であり生かすも殺すも古木の思うがまま彼女の命運を握ったたった1人の男という事になるわけだよな。 森岡弓子を自分のものにしたい自分の女にしたいと思えば金も使うかもしれないけれど一番手っ取り早いのは自分の握ったその権力を行使する事じゃないのかな。 ですが古木の森岡弓子への執着心は少し普通じゃないというか…。

10キロの金属をあの高さから落下させるとかなりの加速度で下の地面コンクリートに激突する。 指輪?ご主人の結婚指輪の事なんですが…。 主人の結婚指輪がどうかしたんですか?あの日の午後はご主人は結婚指輪をはめてらっしゃいます。 あの日の夜私主人から主人の指輪をもらいましたから。 けど付近の交番に結婚指輪を拾ったという届けは1件も出てない。 これはご主人の指輪ですね?それにイニシャルが同じ人なんて山ほどいるはずです。 森岡さん夫婦は亡くなった息子さんとの思い出があって2人ともとても…結婚指輪を大切にしてたって。

その約束忘れちゃったら困るだろ?だからこうやってはめてるんだよ。 だったら僕が大きくなったらそのお父さんの指輪ちょうだい。 ん?僕のお約束の指輪にするから。 この指輪をあいつに譲りお前のをあいつの嫁さんになる人に譲るっていうの。 あいつはこんな事すぐに忘れちゃうんだろうけどでも俺たちはその日が来るまで大事にしようなこの指輪。 納得出来ないんだどうしても。 そんな事は納得出来ない。 どうしても納得出来ない。