「ただいま作家・沢村映子さんをお迎えし新刊恋愛小説『愛の果てに女神がほほえむ』の右京と申します。 はい?いえいえこのほら昨日右京さんがサインしてもらったね?左京様って書かれちゃったこの沢村映子の夫がスポットライトが好きな人だから。
したがってご主人の三原さんがゴーストライターとなってお書きになったのではないかと…。 だけど言いましたよね?「いただいて」って!沢村映子。 沢村映子にゴーストなんていないの事実はそれだけ。 心配しないの沢村映子は私が守るから。 デビュー前の沢村映子ひとつだけ雑誌に掲載されてたんですよ。 この二つだけが本人の作品他はゴーストライターが書いた。 これも沢村映子だとするととなると問題は動機ですね。
あの…ご主人が亡くなった日の午後10時から12時の間先生仕事場のマンションにいらっしゃったそうですね。 沢村映子のゴーストライターはあなたですね?つきまとうことになっちゃいますよ。 もしあなたが沢村映子の作品を誰が書いてきたのか正直に話してくれるのならば…。 作品を書いてきたのはあなたですね?9年前高木社長は大手出版社から独立したばかりで私はアルバイトをしていました。 新人賞の佳作を取った沢村映子は手当たり次第に出版社に売り込んでいたんです。 はい!こちら小説家志望の沢村映子さん。
「沢村映子の世界を理解してるのは育ちゃんしかいないから」ってそう言ってくれて…。 沢村映子には必ず直木賞を取らせます。 いろいろあっても女同士って勘がいいから貰ったジャケットを着てその上その人と同じネックレスを身に付ける。 三原さんが遺書を残したのは沢村映子さんのパソコンでした。 亡くなった三原さんは沢村先生に見初められたんだそうですね。 悔しかったですか?沢村先生が結婚した後担当を外されて…。 もう…沢村映子はおしまいね。