一日か二日立花慶三郎の代理を務める男をつくるのだ。 俺が立花慶三郎をええ！あなたなら大丈夫です。 でその女の身元は？日本橋の材木商甲州屋文左衛門の娘です。 甲州屋と申せば江戸の材木商の肝煎を務める公儀御用達の大店…。 おくめというの娘は甲州の出店に囲われていた妾の子ですが江戸の跡取り息子が去年流行病で急死しおくめは残ったたった一人の娘ゆえ婿を取り跡を継がせることになったと…。 ねえあんた！ハッ？いかにも私は立花慶三郎だが？立花慶三郎？お凛とやら今後間違いなきよう。
な…なにい！殴るなら代わりに俺を殴れ！文左衛門落ち着きなさい！この方はお腹の子の責任をとりたいと来られたのです。 どうして人の言うことを聞けないんですか？甲府勤番ともうせば俗に“山流し”と呼ばれ江戸で不行跡のあった侍が水杯を交わし追われるそうだの。 昔の情夫を甲府勤番から返してくれとせがんだのはどこのどいつだったかな？もう危ない火遊びはするなよ。 しつこく旗本屋敷を探し回る徳田様。 立花慶三郎は必ず捜して会わせてやる。
見積もりましたる金額は蝋にて封印し城内金蔵に甲州屋とはあくまで奉行対業者代表という距離で会っておりました。 山また山の甲州に山流しにされた…やっぱり目当ては甲州屋の財産か？違う。 俺も今日甲州屋を出る。 …甲州屋を消してくれ。 甲州屋を…？本当に肚をくくると女の方が強くなるのよ。 これでやっと甲州屋の鼻を明かしてやれます。 わかっておるな美濃屋？「魚心あらば水心」それはもう！甲州屋より倍はご用意させていただきます。 甲州屋。 なぜ…なぜ美濃屋さんから？甲州屋さん見苦しいですぞ。