♪~何奴私は…もと岩槻藩郡奉行支配利用掛…佐野伊兵衛…。 岩槻藩では前々から領地内でいざこざがあり江戸でも藩士同士の小競り合い…町民まで巻き込まれたのでわかった。 もと藩士だというのに江戸屋敷は引き取ってもくれないなんて…。 上様…ああ上様!上様!岩槻藩江戸家老を呼びつけて問いただしたところ藩政にまったく無知のうえ酒女博打と放蕩三昧…家臣一同困り果てているそうにございます。
でも金が入ってなかったから…次の日の朝古道具屋で金に換えたんだ。 ええ~嘉信様…これ食ってくだせえ。 つべこべ言うな自業自得だ!お侍様!こちらへどうぞ…。 皐月の調べでは噂どおり嘉信様は一日中何一つなさる風もなくただ一人吾市という百姓が毎日のように訪ねてくるそうです。 米や野菜を差し入れては叱咤激励しているそうです。 江戸町火消しの名にかけてな。 岩槻藩主・田原備中守様であらせられる。 あちらは城代家老の飯尾頼母様じゃ。
城代家老が妙な動きを?はい城代家老・飯尾様は藩主・田原忠政公の信任を得ているのをよいことに好き勝手に藩政を操っている節があるのです。 何をする貴様は公儀諸国見回り役徳田新之助!何…?公儀諸国見回り役だと嘉信様!嘉信様我が藩の醜態を天下に晒せと言うのか?そうではありません!嘉信様の見識の深さを家老たちは公儀が大嫌いでな…命を落としても知りませぬぞ。