何見てるんすか？「今日はここ青梅の寿々屋旅館で注目の一戦が始まろうとしています」「その緊張感はここにまで伝わってきています」りょうません？「龍馬戦」将棋のタイトル戦です。 「対する挑戦者の西片名人は『名人』『王将』の二冠をすでに制しています」「本日行われる龍馬戦最終第七局を村田龍馬が制すれば１９歳という史上最年少での防衛となります」へ～そうなんすか。 今日龍馬戦で戦うはずだった西片二冠がこの場所で倒れているのが発見されまして現在息がない事が確認されました！」♪～屋上にゲソ痕がもう１つ。
こんな男関係者にいませんよ？大野木亮真剣師です。 大野木は一応奨励会の出身なんですが奨励会の恥ですよ。 前夜祭？対局の前日にそういうレセプションをするんです。 つまり西片さんは前夜祭を抜け出して大野木さんに会っていた可能性が高いというわけですね。 先ほど西片さんが前夜祭を抜け出したとおっしゃいました。 その後西片さんに何か変わった様子はありませんでしたか？さあ…彼は前夜祭に戻らなかったんで。 戻らなかった？西片二冠の場合部屋で翌日の手を練る習慣があるんですよ。
なんかあったんですか？西片君は初日早々に反則負けをしたんですよ。 畑君？将棋新聞の記者でね。 えっ？ではあなたと西片さんと大野木さんは奨励会の同期？ええ。 まさか村田三冠を疑うんですか？そんな事で殺しませんよ！まあまあ手続き的な質問ですから。 村田三冠は今自分の部屋ですね？西片さんの部屋に？ええあなたの指紋がありました。 まったくあんな盤外戦術仕掛けてくるなんて…。 盤外戦術？戦いは将棋盤の上だけじゃなく盤の外でも戦術があります。 西片さんの扇子がそうだったと？将棋は人間と人間の戦いです。
でえー…西片さんと大野木さんの対局は…。 え？大野木さんが二歩で反則負けしています。 その日大野木さんが西片さんに電話をしています。 はい？いや大野木さんから６年ぶりに電話もらって。 え？大野木さんの接触に激しく動揺する理由があった。 まあそれで早く手が空いたんで西片と大野木の対局を見ていたんです。 その時あなたは西片さんと大野木さんのこの対局をご覧になったわけですね。 この対局大野木さんが二歩で負けていますね。 大野木さんも奨励会退会が決まっていた。
えー…で他に何か西片さんの面白エピソードってあります？はいダメ。 西片さんがここから落ちて亡くなられた夜何者かが西片さんの部屋を荒らしました。 西片さんのご遺体のそばに１０円玉が２枚落ちてました。 靴の片方から西片さん愛用のお香が検出されました。 話して頂けますね？西片さんが飛び降り自殺をした夜一体何があったのか…。 そんな時電話があったんです西片から。 私の将棋人生は奨励会に入った時ではなく６年前三段リーグで大野木と対局した時に始まりました。