♪～何奴南町奉行大岡忠相と知っての狼藉か？いかにも…。 伊賀者？公儀直属であった伊賀上忍の頭目・服部半蔵家がさあ。 そんな…！誰だその者は？日本橋廻船問屋・大黒屋宗兵衛でございます。 大黒屋宗兵衛？その方が秘かに探索している例の抜け荷のか…。 抜け荷…と申すと？公儀御禁制の煎り海鼠・干し鮑・鱶鰭など俵物を秘かに買い集め横流しをしている商人があるとの情報をつかみ内偵を続け浮かび上がったのが大黒屋です。
越後長岡藩…。 長岡藩上屋敷へ入った？はっ。 裏で糸を引いていたのは長岡藩であったか。 長岡八万石藩主・牧野備前守はたしか京都所司代としてここ一年は京に居られるはず。 越後新潟の港に大黒屋の店があると聞いた。 南町奉行・大岡様暗殺未遂の件につきまして。 当面の探索は奉行所が続行し士分のかかわりが明らかになった後の処断は大目付殿にお任せ願いとうぞんじます。 過日大黒屋で見たあの男は徳田新之助という旗本の部屋住みだそうです。 …長岡藩のことかな？長岡藩？いや…まだ何の証拠もなきことゆえしかとは…。
ここは俺に任せて千鶴殿を！新之助殿！開門！公儀大目付である！ご家老大変です！公儀の奴らめ！長岡藩江戸家老・大島帯刀！…何でございますと？朝倉様。 それでは約束が…！何奴だ？大目付・朝倉主水正様であるぞ。 その方の才能と人物を誰よりも愛で期待した余の無念…わかるか？なに？上様っ！五年前無役の旗本から佐渡金山奉行に就任した日のこと覚えてるか？はい。 上様のご高恩に報いる覚悟にございます〕その言葉どおり佐渡金山の汚職は絶えた。 これは長岡藩より押収せし江戸家老・大島帯刀の日誌である。