ロンドンの小さなギャラリーで日本の画家を紹介する催しを現代の若いアーティストたちにも相当な影響を与えているのでは?そのとおりです…!緑風の神秘的で象徴的な画風を愛する若いファンの方がいらっしゃいます。 失礼ですが…美術評論家の先生でいらっしゃいますか?いえ…ただのしがない公務員です。 健太君元気なの?ああ。
この殺された土田って男はお前の知り合いなんだろ?まあ…そうですけど?4日前お前この土田から接待受けたろう?オカマバーで。 しかしそこの口座は架空口座で翌日土田はそこから全額を現金で引き出したんだ。 大金なのにどうして上の決裁を取らなかったんです?お得意さまですし大至急とのことでしたので上の確認を取らずに自分の判断で1億5千万を振り込みました…。 まさかこれだけの札束が紙袋に入ってるなんて誰も思わんでしょう〕その1億5千万円は続き番号でしたか?土田さんは旧札でと指定したんですね?ええそうです。
あの…事件か何か?この男は殺人事件の被害者です。 殺人事件…!それが当館と何か関係が?それを今は調べています。 土田と美術館…いやあつながりませんねえ。 確かに土田の指紋があります。 遺留指紋はすべて記録しておいてください。 結局俺も騙されてたのかな…土田に。 でもなあいつが息子のことを話すときの姿がさあっそう!悪かったですね!何度も言ったとおり土田なんて男は知りません。 特命係というのは何です?あなた方に私を取り調べる権限がおありなんですか?これ以上は弁護士と話してからです。
自分は詐欺の被害者を装い美術館で知り合った土田を金の運び屋として利用した。 ところが奪った金のことでトラブルになり土田を殺した。 どっか違いますか?土田さんを殺せば殺人罪です。 美術館から?…右京さんあの館長を疑ってるんですか?ええそうですね。 でも土田はいつか健太君を引き取って一緒に暮らすんだって…口癖みたいに…。 みんなあの人の妄想です!健太が死んで土田はあ…もう1つだけすみません。 何でしょう?秋山緑風記念美術館…これを聞いて何か思い当たることは?…親子でよく行きました。
しかも紙袋は季節ごとに変えられていてこのタイプはまさに土田さんがお金を下ろしたその日に販売され始めたものなんです。 土田さんは銀行で現金を紙袋に入れてあなたのところへ運び紙袋ごとあなたに渡した…。 思わぬ金ができた土田さんはその足で土産を買いそれを紙袋に入れてうちの亀山君を訪ねた。