ありがとうございました!さぁさぁさぁさぁ!!よっ小春姐さん!喜八!!今日は盛大にいこう!廣川さんのお座敷はいつだって盛大じゃありませんか。 輝之兄さん和菓子業界では最高の栄誉ですわよね。 ん?虎ちゃんがひろ川の若旦那のお座敷に呼ばれるとはね。 女将さん!女将さん!!おぉ七重ちゃん!どうした?相変わらず晩飯は塩大福か?馬鹿言ってんじゃないよ!女将さん…喜八さんがまた始めちゃった!たいこもちっていうのはあそこまでやるかねぇ。
女将さん大将!俺はこれで!!あいよ!お疲れさん!喜八ちゃん!!へい!うちのお座敷もまた頼むね。 墨田堤の桜の葉も散り紅葉がめっきり色づくと私たちの商売はかき入れどきを迎えますいってまいります!おかあさんいってまいります!早く早く急いで!!若旦那!虎です!!おかしいな…。 あなた…あなた!!被害者は廣川輝之42歳。 主任こちら廣川輝之さんの奥さんです。 外に警察やパトカーがいっぱい!へぇひろ川さんち?大将!ああ大将大将!なんだボイラーの故障かい?刑事さんが…。
大将…大将…!引っ張られた!?どうしてわかったの?八百屋の女将さんが見ててすぐに連絡くれたの。 え?廣川家の応接間輝之の殺されていた現場からもこれが採取された。 証拠不十分です。 証拠不十分!?勘違いするなよ!とりあえず今日は帰すけど無罪放免ってわけじゃないからな。 何が証拠不十分だよ!甘く見るなよ。 それがね証拠不十分なんですってよ。
男虎松の名がすたるよ!大将女将さんの言うとおりだわよ!そうよ大将!まず10日の夜9時5分前に訪ねたのね?あっいや若旦那はさ酒でも飲んでけって言ってくれたけどね俺は明日必ず届けるからってすぐに帰った。 あのこの笈川虎松神に誓って何も!そのことは若旦那がいちばん…。 ねぇ若旦那あっしじゃねえですよね!あのう清乃さんがお見えになりましたけど。 おぉこれが創業350年の老舗和菓子屋のもなかか!ガイシャの家族構成は?次女の清乃。
それまでだって嫌がらせや陰湿ないじめばかりで特にひどかったのは長女の美鈴さんのいじめよ。 他に何か理由があったのかしら?もしもし?美鈴さん?朝早くすみません。 若旦那も美鈴さんもその再婚には反対されたんですか?あっ…ごめんなさい差し出たことを。 評判の美人芸者でうちが引き抜いたんですよ。 カフェラテカフェラテ…。 なにがカフェラテだよ。 喜八…お前芸者に手を出しちまったっていうじゃないか。 芸者との色恋はどうあったって許されない花柳界のしきたり。
よかったら話してもらえないかしら?お母さんの紫乃さんが亡くなってそれで廣川の家にはいられなくなっちまったのかい?で他には誰と誰?兄と姉と叔父と叔母ですけどそれが何か?清乃さん…どんなことでもどんな秘密でも口外しない。 清乃はそれを経済的に支えてやって今度の3日の大安吉日に二人の結婚式があるんですよ。 どういうこと!?推測の域は出ませんがおそらく廣川輝正はいずれにしても突然のパニックのなかで起こったことじゃないですかね。 廣川輝正さんの水死体が発見されたのは…ちょうどあの辺りです。
生きてた!?だったら輝正さんの財産の半分は紫乃さんのものになる。 でも輝正さんと紫乃さんが二人一緒に死んでれば…。 紫乃さんの遺産相続分はすべて子供たちにいくわ。 そのためにまだ生きてたかもしれない紫乃さんを殺したと言うのかい?20分の誤差?廣川輝正が14時16分妻紫乃は14時37分救急車の出動要請時間には約20分の時間差がありました。 それじゃあその清乃さんの実の父親ってのはいったい誰なの?浅草の芸者時代の紫乃さんから考えられるのは…。
あれ以来紫乃とはきっぱりと…。 ひろ川の旦那に土下座して謝って…どうか紫乃を助けてやってくれって…。 親を恨むのはよそう…か…2年前の上田湖での紫乃さんの水死…。 清乃さんの実の父親喜八ちゃん…娘と父…。 いや大将…今日またどうして?おぉ!実はよ今度俺披露宴があるんでな。 おい…そういやあの…上山田の清乃ちゃんの結婚式もじきだな?どうすんだい?行くのか?行かねえのか?いやこれはありがたい。 清乃さんじゃなく…あの喜八が…。