黒柳徹子:今日のお客様は戦後の大映映画を支えた看板女優さんでいらっしゃいます。 現役の女優さんでいらっしゃいます、三條美紀さん、お客様です。 戦後の大映を支えた、本当に看板女優でいらっしゃいました。 経理課にいらしたんですけども、写真…、これが最初の写真でしたかしらね。 黒:ちょっと写真撮ってっていう事で、写真撮って、それで女優さんの方にっていう事になったんですって。 三:お友達の洋服借りてね、顔はね、町田博子さんっていう女優さん、いらしたんです、大映に。
でも随分、ちょうど、高峰三枝子さんのお洋服がちょうどよく…。 黒:「ハンカチ5枚泣かせます」とか、なんか、そんなね、キャッチフレーズがあって。 でも結局、召し上がらなかったの?黒:そこで何を…、あそこの東芝で何を作ってらしたんですか?三:私はね、経理課だったんです。 黒:そこでも、経理課?三:ええ。 三:だから、それのおかげで、府中工場で経理課にいたから、字と、それから名前を書くもので、勉強してるようなもんですね。 あっ、珠算能力検定証書って、第三級…。 すごいですね、東京都商工経済会会頭…。
三:あ、そういえばね、私、それでね、思い出すのはね、東芝の府中工場へ動員に行ってる時に、空襲警報が発令されますと、全員でみんなね、畑を通り越して、向こうの森みたいなところへ飛び込むんです。 で、私たちは大映の撮影所の社宅にいましたから、多摩川からね、国領まで、妹たちはみんなで歩いて行くんです。 そうすると、そこにね、飛行機があるわけですよ、B29が。 で、それ、何しに行ったかっていうとね、飛行機の窓際のかけらですか?ガラスの。 風防ガラスかしら。 黒:風防ガラス。 黒:風防ガラスが?三:そう。
私はね、上からね、空から、銀紙の巻いたのとか、銀紙がパラパラ、パラパラ…、落ちてきたんですよ。 あとで聞いたら、あれね、電波の妨害用に、アメリカが落としてたっていう話を聞きまして、そういうピラピラ…。 ナレーション:「銃後の守りは固し」「ぜいたくは敵だと、国民は一層の耐乏生活を強いられた」愛国の花とうたわれた」三:私も同級生がみんな、学徒動員でいなくなりましたからね。
三:それでね、最後にね、終戦になった時に、私は東芝の府中工場でしたからね。 黒:まあ、資料映像なんですが、学徒動員の様子があるんだそうで、黒:でも、あれですよね、なんでも、弾にするからといって、みんなのうちにあったものを全部…。 それでも、あの下で、みんな、一生懸命ね。 大人の意に沿おうと思って、一生懸命やりましたよね。 府中の駅で集合して、全員でもって、空襲警報発令の前に警戒警報があって、最後に空襲警報が鳴った時には、もう上空にB29がいるんですよ。 府中工場の塀がコンクリみたいな塀だったんです。
終戦のあれは、どこでお聞きになったんですか?三:私は動員先で聞きましたし、同時に、学校が、もう、なくなっちゃってますから。 終戦卒業です。 だから、学校もないし、なんにもなくなって、終戦卒業で、結局、終戦になった時に本当に、あれですよね。 で、戦争が終わったんですけど、終戦後、みんながどんな暮らしをしてたかっていう資料映像がございますから、ちょっとご覧頂いてよろしいですか。