科捜研の女10 #9

戻る
【スポンサーリンク】

プラントオパールだ。 えっ?宝石!?プラントオパールっていうのは植物ケイ酸体の事。 これがプラントオパールで植物の種類によって特徴的な形態を示す。 本体が枯れて分解されたあともプラントオパールは地中に長期間残るから植物繊維も微量に検出されてる。 NPO?グリーンビレッジプロジェクト。 グリーンビレッジプロジェクトは我が社が支援する環境保護団体です。 検出された植物ケイ酸体の中に日本古来の花で5年前に絶滅が発表されている。 ヤマトシュンランの根の繊維も完全には分解されない状態で残っていたんだが…。

その西尾さんという方がヤマトシュンラン研究の第一人者なんですよね?ええ。 ヤマトシュンランが数か月前まで存在していた?はい。 施設建設当時地元住民による反対運動が起こったそうです。 なぜって…今さらあの男を殺してどないなる言うんや?彼はヤマトシュンラン研究の第一人者よ。 人間が無責任に放した外来種がどれだけ生態系バランスを崩してるかご存じですか?けどあなたメダカまで川に放すなと教えてるそうやないですか。

ある植物が絶滅に瀕した場合生態保管という方法をとる事がありますよね?数株の個体を温室に緊急避難させ人工的に保護する方法です。 朱雀の森からヤマトシュンランを土ごと採取しご自分で保存していたのではありませんか?なるほど。 少なくとも竹地さんが殺された現場はヤマトシュンランの保存場所だった可能性が。 環境保護団体を使って脱税を?確認中だがその可能性が高い。 事件は必ずヤマトシュンランと関係ある場所で発生しているはずよ。 土から検出されたヤマトシュンランの繊維は植物ケイ酸体という形でしか確認出来なかった。

やっぱり犯人は直前まで竹地社長を毒殺するつもりだったんですね。 種類はベッコウトンボ。 彼は許せなかったのかしら?環境保護団体を悪事に利用した竹地社長の事が。 ベッコウトンボの羽よ。 詳しく見たわけじゃないけど多分ベッコウトンボの標本もあったと思う。 事件の晩彼は竹地さんにベッコウトンボの標本を見せたのよ。 このふれあい池で4年前から絶滅危惧種のベッコウトンボの幼虫を育てています。 ベッコウトンボ…。 竹地社長にとってこの団体はダミー会社のようなものだ。

竹地社長が殺されたのは環境保護団体を悪用したからでも自然を破壊したからでもない。 八千代池のベッコウトンボについて調べました。 40年前の個体と現在の個体とで遺伝子構造を比較したんです。 人為的に別の地域のベッコウトンボが持ち込まれた証しです。 竹地の会社が環境保護団体を粉飾決算の隠れみのにしているという事を。 2か月前までこの鉢でヤマトシュンランを保管していた。 それはもうヤマトシュンランじゃない。 こいつはもう俺たちが知っているベッコウトンボじゃない。