緑風は「画壇の異端児」といわれていますが現代の若いアーティストたちにも相当な影響を与えているのでは?失礼ですが…美術評論家の先生でいらっしゃいますか?いえ…ただのしがない公務員です。 あっあっ…あんた!あっあのときの刑事さん!今日も聞き込みの仕事?いや今日はプライベートだけど。 ホントか?ああ!まあこいつに悪いことなんてできるワケねーか!おーう!特命係の亀山ァ!「特命係」は要らねえって言ってんだろうこんなとこに呼び出して何の用だよ!仏の服のポケットにお前の名刺があったんだよ!あ?この間会ったばかりなんだ。
亀山ァ!お前マズイよ!マズイッ!この殺された土田って男はお前の知り合いなんだろ?まあ…そうですけど?4日前お前この土田から接待受けたろう?オカマバーで。 しかしそこの口座は架空口座で翌日土田はそこから全額を現金で引き出したんだ。 あなたは得意先から電話で融資の依頼を受けた。 当初物盗りの線だった一課も今は詐欺グループの仲間割れによる殺人の線で5日前です。 土田さんはこういう所へ行く人ですか?いやそうは見えなかったけどな…美術館なんて全然似合わないし。
そのたびに絵を売れば金になるじゃないかとか評価格がいくらだとかそんなことばかりで…最低の人でした!前に訊いたときMMフィナンシャルとは関係ないって言ってたじゃないですか。 融資の話はご破算にしました!ですから一切関係ありません!この人が何か?例の殺人事件の関係ですか?…ええまあ。 美術館のパンフレットがあればいただきたいんですが。 自分は詐欺の被害者を装い美術館で知り合った土田を金の運び屋として利用した。
何でしょう?秋山緑風記念美術館…これを聞いて何か思い当たることは?あいつの過去がわかったからって解決の糸口にはなりませんもんね。 …それが?殺害された土田さんが持っていた1万円札です。 …違いますか?いい加減にしてください!たかが紙袋に付いた指紋で人を犯人呼ばわりする気その袋に触れたのはずっと前!土田さんに差し上げたときです!それはありえません。 しかも紙袋は季節ごとに変えられていてこのタイプはまさに土田さんがお金を下ろしたその日に販売され始めたものなんです。