黒柳徹子:今日のお客様、左時枝さんです。 本当にお年頃の女優さんで、いい作品にたくさんご出演になっていますが、前にいらっしゃる方は、ご主人でいらっしゃいます。 黒:映画ですとか、テレビなどでは、いろんな役をおやりになるんですけど、絵をお描きになるのは知らなかったので、ビックリしましたけど。 左時枝さん、今日のお客様です。 左:カサブランカで。 黒:カサブランカなんで、カサブランカってわかりますけど。
その俳句の会の表紙なんかも、ご主人がやってらっしゃるのね。 左:これがまあ、不思議な事に、高校時代の…、小川高校っていう高校がありましてね、昔は女子高だったらしくて。 そういう趣味の…、本当にすごい第一線のお仕事は、CMとかなんかおやりになりながら、趣味のそういうのも、おやりになるそばで、あなた、見てらして。 そうすると、家で描いてると、仕事行って帰ってくると、大変だな、大変だなって思うとね、「あと30分だよ」なんて言われると、あと30分歩けばと思って、一生懸命やるでしょ。
でも、あなた、普段、本当にお若いのよ。 黒:頭の毛なんか白くしてらっしゃると、本当におばあさんに見えるんだけど。 本当は、左時枝さんって方は、本当はお若いんだけど、息子さんが、もう39歳で。 左:ですからね、主人の展覧会に行きますでしょ。 左:もう、本当にね…。 だって、本当にそんな感じがするもんね、なんか。 ま、そういう事があるんですけど、ご主人が、7年前にがんがあって、手術なさったんですけど。
左:ですから、たとえ抗がん治療していても、大丈夫だっていう気持ちが…、なれるんだろうなって。 だから、「ちょっと、今回はやめるわ」って「俺は大丈夫だから行け」って…。 左:その時は、自分でごはんも作れるような状況でしたので、「大丈夫だ」って言って。 『野のなななのか』っていう題名、不思議な題名だな、その当時、12年ぐらい前に言ったんですね。 黒:でも、皆さん、ご存じなかったので、あとで亡くなった事がわかった時に、なんか、スタッフの方たちが号泣なさったんですって?なんか。
自分で、ちょっとビックリするぐらいに、思っていましたけれども、意外と、やっぱり、黒:ご主人お亡くなりになった時、70…。 前の晩、手をお握りになったら、とっても力強かったんですって?左:それがね、自宅で、介護用のベッド…。 黒:でも、最後、さすっておあげになったら、いい気持ちになって、そのまんまっていうのは、あとで…、あなたの後悔が、そんなには…。 亡くなって何日か経って、近所にお医者様がいらして…。